患者さんの死に直面した時、看護師としてできること

 

 

私たちは看護師として働いている以上、患者さんの死に立ち会う機会があります。

 

 

その中で、新人看護師さんは、患者さんの死が受け入れられない、死が怖い、プロとしてどう意識をすればいいのかわからない、などの悩みがあるかもしれません。

 

 

私はこの13年間の看護師人生の中で、50人以上もの患者さんの死に立ち会ってきました。

 

救急車で運ばれてきたけれど、蘇生できず救急外来で亡くなった方。入院中急変で亡くなった方。ターミナル期を得て亡くなった方。100歳を超えおそらく寿命で亡くなった方。

 

その度に患者さんの死についていろいろと考えさせられました。

 

家族と一緒に泣いたこともありますし、家族が到着するまで形だけ心臓マッサージをやったり、急変時に挿管までする必要があったのかと正直疑問に思うケースもありました。

 

 

生きている以上いつかは死がやってきますし、そしてその死がいつ来るのかは誰にもわかりません。

 

患者さんが亡くなることは、もちろん悲しいです。怖いと思っている人もいるかもしれませんね。

 

 

しかし、私たちは看護師です。悲しみや恐怖を理由に自分の本来の仕事を忘れてはいけません。

 

私たちにできることは、患者さんやその家族のために看護師としてできることを最後までやる、ということです。それがプロです。

 

 

患者さんは今まで一生懸命治療をし、必死に生きようと病気と闘ってきました。

 

私は「いままでおつかれさまでした。よくがんばりましたね。」と亡くなった患者さんの処置に入るときに言っています。

 

それを労うことも看護師ができる最後の仕事だと思うからです。

 

そして、心を込めて、体を拭き、髭を添り、綺麗に化粧をして、患者さんが気持ちよく旅立てるようにします。

 

泣くのはプロとして失格という人もいるかもしれませんが、患者さんの家族と悲しみを共有することも大切だと私は思います。

 

しかし、ただ悲しむだけではいけません。

 

私たちはプロとして、亡くなった患者さんや家族を尊重し自分の仕事を最後まで行う必要があるのです。

 

自分の身内以外で、人の死に立ち会える仕事なんて医者と看護師くらいです。

 

患者さんの最期に自分が携われるなんて、本当に光栄なことだなあと私は思います。

 

最後まで、「あの看護師さんに看てもらってよかった」と、亡くなった患者さんや残された家族に思ってもらえるように、あなたはあなたのできることを最後までやってくださいね。

 

私たちが最後にできることは結局それだけと思います。

 

 

 


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