なんとなく看護師になった私が伝えたいこと
あなたは、何故、看護師になりたいと思ったのでしょう?
・看護師さんにお世話になって、自分も人の助けをしたいと思ったから
・看護師という仕事に憧れて
・手に職を付けたかったから
など、人それぞれ目指したきっかけがあると思います。
実は、私はそこまで看護師になりたいというわけではありませんでした。
高校に入っていよいよ将来のことを考えないといけないな、と思ったのですが、やりたいことも特に無く・・・
親戚に看護師がおり、「今からの時代手に職を付けてた方がいいから、看護師になったら?」とよく母や親戚に言われていましたし、確かに、これから不況の世の中、手に職を持ち安定したお給料を貰える看護師っていいのかも・・・
それくらいの動機でした。
看護師になって母親を安心させたい、というのもありましたが、特に看護師に強い憧れがあり「絶対に看護師になりたい!」という訳ではありませんでした。
そして、後に看護学校に入学するのですが・・ひどく後悔することになります。
何故なら、周りの子達はすごく積極的で、活発で、自分の意見をしっかり言う子達ばかりだったからです。
私は昔から消極的で、内向的で、人と話すことが苦手でした。(今もそうですが^^;)
高校時代はそこまで気にならなかったことでしたが、ここに来て初めて、私は自分の意見も言えない、人ともあまり話せない、看護師は患者さんとのコミュニケーションが大事なのに、こんなにコミュニケーションができなくて大丈夫なのか、看護師に向いてる人ってここにいるこういう人達なんだ、と痛感させられました。
それから私は、悩みました。
コミュニケーションが苦手な私に看護師が務まるのか、そもそも、看護師になりたいと思って入学したわけではないし、みんな看護師になりたいと思ってここに入学してきているのに、私だけモチベーションが低くてなんだか恥ずかしい。情けない。こんな私が看護師になれるのだろうか、なっていいのだろうか、と。
そして、しばらく経った後もまだクラスに馴染めていなかった私でしたが、ある日、クラスで担任の教師に質問されました。
「看護師に憧れを持ち、人を助けたい、本当に看護師になりたい!!と思っている人手を上げて。」
私は上げられませんでした。
が、手を上げたのはクラスの半分以下だったのです。
きっとみんな看護師になりたくてなりたくてこの学校に入ったのだと思っていたのですが、それが意外にも少なくて驚きました。
そして、みんな色んな理由があって看護師を目指しているんだ、私だけじゃなかったんだ、と、ホッとしたのを覚えています。
「看護師になろうとしたきっかけは人それぞれ。きっかけはそこまで重要な事じゃない。あなた達は看護師になる道を選んだからここにいる。これから看護を学び、どんな看護師になっていくかが大事。」と、教えられました。
それから、私は3年間、皆と支え合いながら、辛い実習と国試を乗り越え、看護師になりました。
それから十数年たった今でも看護師を続けています。
3年間、『看護とは』をみっちりと教え込まれ、看護のやりがいや素晴らしさを教えてもらいました。
そして、実際に働いてみて、様々な患者さんと関わることでまた改めて看護の魅力に気づきました。
なんとなく、で看護師を目指した私でしたが、今では本当に看護師になってよかったな、大変だけど看護の仕事が好きだな、と思います。
看護師になったことを誇りに思っています。
もちろん、「絶対に看護師になりたい!」と思ったきっかけは大切です。そう思った方は、目標を持ってこれからもますます看護師として活躍していってほしいと思います。
しかし、「私は食べていくため、手に職を付けるため、なんとなく、この仕事を選んだんだ、モチベーションが低いのは当然」と思っている方もいるかもしれません。
みんなとモチベーションが違う、だからついていけないし、辛いんだ、と思うかもしれませんね。
しかし、理由は何であれ、あなたは看護師という道を選びました。
私はみんなと志が違う、モチベーションが違う、というのを理由に諦めないでほしいのです。
働いてみて初めて気づくこともたくさんあります。辛いこともたくさんありますが、その分やりがいもある仕事です。
なんとなく看護師を目指した人も、念願で看護師になった人も、新人時代は誰でも辛いものです。
看護師になろうと思ったきっかけを理由に諦めるのではなく、これから看護師としての自分を確立していけば、新たな自分を見つけることが出るかもしれません。
もう一度言いますが、看護師の道を選んだのはあなたです。
ここで諦めるのか、もう少し頑張ってみるのか、それを決めるのもあなたです。
私はもう少し頑張ってほしいなあと思います。
すでに頑張っている人に、もう少し頑張れというのはとても酷です。
しかし、本当にあなたのことを思っているからこそ言うのです。
もう少し、私と一緒に頑張ってみませんか?
この1年を乗り越えることができれば、あなたはきっと看護師としても人間としても成長できますよ
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