プリセプターの目標設定は?|新人指導計画の具体例紹介
プリセプターとして指導することは山のようにあります。
1年間という限られた期間の中で効果的に指導を行うためには、やはり大まかな目標設定が必要です。
私もプリセプターをやるにあたり、目標設定や指導計画を事前に立てさせられ立てました。
そこで、今回は実際に同じ病棟のプリセプター同士で考えた新人指導計画を紹介したいと思います。
同じくプリセプターとして、目標や指導計画に悩んでいる方の参考になれば幸いです
4月
目標 | 指導内容・方法 | 留意点 |
---|---|---|
@職場の環境に慣れることができる。職業人としての自覚ができる。
A基本的な看護技術が実践できる。
B看護記録が書ける。
C夜間看護業務がわかる。
D主な検査・処置・手術がわかる。 |
@互いにコミュニケーションをとり、相談しやすい環境を作る。(慣れるまではプリセプターの方から声掛けを行っていく。)
A病棟の必須項目の経験表を作成し、初回見学、2回目見守りの中での実施、3回目自己での実施の段階を踏む。スタッフ間の連絡を常に持つ。
B受け持ち部屋の記録を記載後、プリセプターまたはフォロー係のスタッフが記録のチェックを行う。
C夜間業務に入る前に、業務の流れを説明する。
D処置や検査の目的を理解できた上で見学・実施できるよう声掛けを行う。 |
@緊張をほぐすために仕事以外のことも聞きながら関り、常に気をかけ精神的フォローを心がける。プリセプターとプリセプティで1冊のノートを作り、その場で聞けなかったことや仕事以外の話などを自由に書いて問題解決に努める。
A新人がどこを経験し、どこが未経験なのかがわかるように経験表を作成し、経験をしたら経験した日付を勤務終了時後に記載してもらう。他のスタッフにもわかるように各チーム別にリーダー表に挟んでおく。
B必要な観察項目を観察できているのかの確認を行い不十分な時はアドバイスをしていく。
C夜間業務はスタッフの人数が少ないため、事前に理解できているのかの確認を行う。
D経験表をもとに、実施できていない処置についてはできるだけ早い時期に見学・実施できるよう、プリセプターがスタッフに声掛けをかけるようにする。 |
5月
目標 | 指導内容・方法 | 留意点 |
---|---|---|
@夜間看護業務を実施できる。
Aメンバーシップを理解し、報告・連絡・相談ができる。
B1日の流れをイメージし、1日の行動計画を立てることができる。
C病棟性専門性看護の実際がわかる。
D各委員会について知ることができる。 |
@プリセプターを通じて行動計画のチェックを行う。
Aプリセプティに経験内容の評価、互いの情報交換を促す。
B優先順位を考えながら、動きをイ
C病棟独自の看護の指導を行い、他スタッフと共に実践できる。(気管内挿管や急変時のデモンストレーションを行う)
D各委員会より、業務内容について説明してもらう。 |
@勤務後、業務についての不明な点や困ったことがなかったか確認し、次回の実施へ繋げる。
A自分から言い出せないときは、声をかけ確認しやすい環境を作る。
B業務の関係でその手順が踏めなかった場合、後で迷ったことなど具体的な振り返りを行う。
zC挿管や急変時の対応についてイメージでき、実践に繋げることができるように、不明な点を明らかにしておく。
Dプリセプターも同席し説明を受ける。 |
6月
目標 | 指導内容・方法 | 留意点 |
---|---|---|
@1日を計画的に行動し、時間内に終了するように心がけることができる。
A失敗を報告し、学習し、振り返ることができる。
B自分からわからないことを確認していくことができる。
C職場でのストレスを話すことができる。 |
@1日の行動計画をもとに、優先しなければならないことを相談し、行動計画の見直しをする。
Aインシデント・アクシデントを資料に事例検討・勉強会を行う。プリセプターは必ずプリセプティのインシデントレポートに目を通し、原因・対策を一緒に考える。
B初めてついた処置に当たったときなど、マニュアルを見て理解の確認を行う。医師や他職種に対しても、指示受け、確認ができる。
C働き始めてから今までの自分の気持ちを整理し、精神的状態を伝えることがでっきるよう声をかけていく。 |
@行動計画表に今日1日の行動の気づき、反省をメモしてもらうようにする。
A失敗時などは課題などを与え、危機意識を高められるような指導をする。
B自分からマニュアルを見るという姿勢を見せる。
Cプリセプティ一人一人の性格を踏まえたうえで、勤務外の時間などに精神的ストレスを聞いていき、その軽減について共に考えていく。 |
7〜8月
目標 | 指導内容・方法 | 留意点 |
---|---|---|
@今までに習得した看護技術の振り返りを行い、確実なスキルを身につけることができる。(チェックリスト)
A看護体制(継続受け持ち制、チームナーシング)の理解ができ、自分の役割(受け持ち看護師としてチームメンバーとして)が認識できる。
B指導を受けながら、受け持ちナースとしての看護展開ができる。
C自分の仕事への取組みの振り返りができる。 |
@チェックリスト施行時、手技・業務についての疑問点を出してもらい解決していく。未経験項目は自己にて積極的に取り組むよう声掛けをする。
Aチームナーシングについて師長より話してもらう。
Bプリセプターと共に、一人の患者を受け持ち看護の展開ができる。
C自己評価をしてもらう。 |
@チェックリスト施行時、単に出来た出来ていないと評価するのではなく、不安な点・注意を受けた点など具体的に話し合いながら進めていく。
Aチームナーシングについての話を聞き、利点欠点について話し合い、理解を深める。
B受け持ち時の挨拶から看護計画の立案、実施、修正、退院指導まで一連を通して指導していく。退院後、その振り返りを行う。
C仕事に対する取組みで注意ばかりでなく良い点を褒めていくようにする。 |
9〜11月
目標 | 指導内容・方法 | 留意点 |
---|---|---|
@業務の優先順位を考えながら日常の業務を遂行できる。
A事故防止、感染防止の重要性を再確認し、事故防止の対策を考えることができる。
B緊急入院や処置に積極的に関わりを持つことができる。
C10月からHCUの勤務に入り、必要な観察、ケアを行うことができる。 |
@業務の優先順位を考えながら行えているか、時間管理表を用いて指導する。
A今までのインシデントの振り返りによる事故防止と共に、感染防止に対する確認をする。
B自分の最低限の業務以外のことにも自ら関わっていくことができるようにする。
C疾患の理解、看護技術の習得状況を踏まえたうえで、プリセプターとチームリーダーが話し合い、HCUの業務を行えるようにする。 |
@どのような時に優先順位がわからなくなり困ったか、失敗したかの振り返りを行っていく。一人ではできないこと、業務上無理なことを自分から他社に伝えることの必要性を伝える。
Aインシデントレポートの見直しを行い学びを深めると共に、事故に対する危機意識を確認する。また、感染に対する対応の仕方の確認を行い、できていない点の強化を行う。
B自分の業務ができた上で、他の処置につくようにし、他のスタッフの動きを見ながら行動できるように声掛けをしていく。
Cわからないことなどを一人で判断せず、正常・異常を判断し、観察できるように声掛けを行っていく。 |
12〜1月
目標 | 指導内容・方法 | 留意点 |
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@主な看護を一人で実施できる。
A一年間で習得したスキルの復習を行い、到達していないものを確認し来年度の目標とすることができる。
B周りの業務の流れを考えた行動ができる。 |
@チェックリストの施行。
A経験できていないこと、到達していない項目を実施できるように配慮する。
B自分の仕事だけではなく、周囲の流れを見ながら、仕事をすることができる。 |
@次の新人が入ることを考え、看護の目的、手技、注意点を自分が指導できる程度まで習得し、事故の最終確認とする。
A未経験なこと、未達成のものは、自分から進んで達成できるようにし、できなかったものは来年度の目標とし自己の学びに繋げる。
Bメンバーシップの実践ができるようになるようアドバイスを行う。 |
2〜3月
目標 | 指導内容・方法 | 留意点 |
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@先輩としての自覚を持ち、行動することができる。
A職業人として常に向上心を持ち、研修などに積極的にさんかできる。 |
@一年間の指導内容過程を振り返り、プリセプティからプリセプターへの評価を行う。
A一年のまとめ、総合藩士として師長より指導を行ってもらう。 |
@プリセプターへの要望、不満は今後の互いの課題として、互いに学びあうことが出来るようにする。
A指導されたことを受け止め一年間の社会人としての姿勢、看護の姿勢を見直し、今後の看護に目標を持つ機会とする。 |
まとめ
私の勤めていた病院はチームナーシング、プライマリーナーシングをやっていたので、その内容が入っています。
また、急性期病棟ならではの目標も入れました。
病院やその部署によって看護体制や必要項目などが変わってくると思いますので、自分の部署に合わせた目標、指導内容を考えてくださいね。
もちろん、プリセプティの指導は目標、計画通りには進みませんが、予め目標・計画を立てることでプリセプターとしての意識付けにもなりますよ