指導の中で一番大切なこと
私が新人さんに指導をするにあたり、一番大切にしているのは、新人さんに自信をつけさせることです。
新人さんは臨床に来たばかりでリアリティショックが大きく、「何もできない自分」に落ち込んだり、これからこの仕事を続けていけるのか、という不安を抱いています。
実際に新人の頃の私もそうでしたし、私のプリセプティもそう思っていました。
何もかもが初めてで自信が無くて怖くて手が出せない、うまくやれるか自信が無い、失敗したらどうしよう・・・などの不安が頭の中でぐるぐると回っています。
それでは、自信をつけさせるためにはどうすればいいのでしょうか?
それは、ずばり、成功体験を持たせることです。
学校で学んだ知識はあっても、知識を行動に移すことができない。それは経験不足のせいです。
そして、その解決方法はできるだけ場数を踏むこと、繰り返し実施して成功体験を得ることにあります。
まずは、最初の経験を自信を持たせるものにしてあげること。
「あれもできない」「これもできない」のではなく「これなら自信をもってやれる」というものをまずは見つけてあげましょう。
まずは、なんでもいいので小さな成功体験をさせてあげてください。
たとえ小さな成功体験であってとしても、自分一人でできるという成功体験があれば、その小さな成功体験を積み重ねることで「これができたなら、あれもできるかも。」と思えるようになります。
持続点滴中の患者さんの清拭を一人でできた、とか、点滴の準備から施行まで一人でできた、とか、「一人でできる」というのがポイントです。
逆に、失敗体験やミスなどが続くと、やはり自信は無くなってしまうもの。
あなたもそうではありませんか?
ミスをすると落ち込むし、それが続くと「私って看護師に向いていないんじゃないか・・」と思ってしまいますよね。
私たちでさえそう思うのですから、新人さんならなおさらです。
よって、高い目標から取り組ませて失敗をさせるより、小さな目標から達成させ、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切になります。
「ちょっとだけどできた!」という経験を積み重ねることが、自信に繋がっていくのです。
そして、その小さな自信を積み重ねることで、「自分は看護師に向いてないと思ってたけど、自分でもできることがあるんだ」「看護師としてなんとかやっていけそう」「このままここでもう少し働いてみようかな」と前向きに思えるようになってきます。
少しづつ自信をつけてきた新人さんは、途中から成長の伸びがぐんと上がってきますよ