ケーススタディ|書き方:ケース紹介

 

 

ここからは本論に入ります。

 

まずは、事例紹介の部分です。

 

情報は正確に、そして読者がケースをイメージしやすいように書きましょう。

 

研究目的に沿って多くの情報の中から必要な情報を選び出すことが大切になります。

 

 

まずは私の事例紹介を載せますね。

 

T.事例紹介

 

1.患者:A氏 86歳 女性

 

入院期間:2005年4月5日〜8月29日
研究期間:2005年8月1日〜8月22日

 

研究方法:A氏への日々の関りの中に、意図的な関りを取り入れた。また同病棟の看護師スタッフに協力を求め、A氏への関りとその時のA氏の反応を記録してもらった。

 

診断名:狭心症疑い、うっ血性心不全

 

現病歴:介護老人保健施設に入居していた際、胸部絞扼感が出現。当院へ救急搬送され狭心症疑いにて精査・加療目的で入院となった。

 

 

入院中の経過:入院後は胸痛なく経過していたが、しばらくして意識消失発作、高度房室ブロックが出現し、一時対外ペーシングを挿入。その後も心不全を併発、呼吸状態が悪くなったためバイパップを装着していた。
徐々に状態も安定し、体外ペーシングとバイパップは除去されたが、7月頃(入院して3か月後)のA氏は安静と治療による長期臥床によって廃用症候群が著しく進んでいた。2時間毎の吸引と体位交換を要し、ケアに対しても声掛けに対しても反応はなく、家族が面会に来ても無表情であった。(意識レベルはJCST-2)

 

入院時の所見:難聴があり、耳元で大きな声で話さないとコミュニケーションは困難である。また、呼吸苦があるためか発語はほとんどなく、こちらの声掛けに対しては頷きがあるのみ。表情の変化もあまり見られなかった。
病室はナースステーションに隣接する2人部屋の窓側で、ナースステーションからはA氏の姿が見える。

 

日常生活動作:セルフケアはほぼ全介助を要する。

 

清潔:毎日の清潔、陰部洗浄、手浴と週一回の洗髪を実施。

 

排泄:バルーンカテーテル挿入し、尿量管理中。排便はオムツ内。

 

食事:意識消失してからは一時絶食。その後食事再開となるも食欲がなく食事がほとんど食べられていなかったためIVHを挿入。その後は胃瘻を増設し現在は注入を行っている。(ラコール400ml2×)食思がないため経口摂取はしていない。

 

歩行:不可。移動はストレッチャー。リハビリはベッドサイドで行っている。

 

入院前の状況:介護老人保健施設に入居しており、日常生活はすべて自立していた。また、施設からデイサービスにも通っていた。

 

家族構成:2人の娘がいるが娘同氏の折り合いが悪く、長女と次女は全く連絡を取っていない。長女は〇〇、次女は〇〇市内に住んでいるが、次女は盲目でもありA氏のことはキーパーソンである長女がすべて管理している。
しかし、長女は遠方にいるため入院時に病態説明や情報交換がうまく行えておらず、入院後A氏の状態が悪化したことに対し不信感を持っていた。また、長女は退院を強く希望していたが、退院できる状態ではないという病院側との考え方の違いに対しても不満を持っていた。入院が必然的であったことは徐々に受け入れられている様であるが、治療はせず穏やかに過ごさせたいという思いが強い。次女は週2回、長女は月1回面会に来られる。

 

 

2.倫理的配慮

 

患者自身に了解を得るのは難しかったため、キーパーソンである長女にケーススタディの意図を説明し了承を得た。

 

私は結構具体的に細かなところまで書いています。(少し多いかなとも思いますが)

 

私の事例紹介のポイントは、@入院して3カ月、入院前は自立していたA氏がどのような経過で今の状況になったのかAケーススタディ前のADL状態(後にADLにも変化が現れたためわかりやすいように)B家族構成(家族にも協力依頼したかったが、積極的に依頼できなかった理由があるため)です。

 

これは、私のケースの場合のみに必要な情報であって、あなたが行うケースにADLや詳しい家族構成が必要なければ書かなくてもいいものです。

 

例えば、精神的ケア(不安など)を目的に行っているケースだと、「患者の病気に対する受け止め方」が必要な情報になってきますし、骨折後のリハビリ支援が目的だと「自宅の構造」などが必要な情報になってきます。褥瘡の患者さんだと、身長や体重、体位変換の情報も必要です。

 

自分のケースに合わせた情報を記載するようにしましょう。

 

 

 

また今回は、研究方法と倫理的配慮も事例紹介に入れていますが、別で分けて記載しても構いません。

 

 

研究方法は書いた方がわかりやすいです。

 

研究方法と言うと難しそうですが、振り返りの資料をどのようにして得たのか、どういう記録用紙を使ったのか、病院指定の用紙なのか用紙を新たに作ったのか、どのように検討したのか、協力者は誰か、など手順や方法を書けばいいのです。

 

 

私の研究方法はかなり漠然としているので、もう少し詳しく書いた方がよかったですね^^;

 

 

 


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