ケーススタディ|書き方:はじめに

 

 

ここからは、いよいよレポートの詳しい内容に入っていきましょう。

 

まずは、「はじめに」です。他に「序論」、「まえがき」などと言うこともありますが、病院の規定に従って書いてくださいね。

 

 

説明していくにあたり、私のケーススタディ「はじめに」の部分を載せますね。
ここでは、わかりやすく@ABと3つに分けてお話していきたいと思います。

 

はじめに

 

@老年期に入ると、幾多の衰退と損失を経験する。健康を損なったり、社会との交流が少なくなったり生きる目的を失うなど、高齢者の身体的衰退や家庭や社会における地位や役割の変化は、高齢者の心理にネガティブな影響を与えやすい。また、患者は疾病や障害があると、日々の生活を豊かにする手段が奪われてしまう。そのため患者はいっそう自己の存在を失い、生活することの楽しみを失って、生きることに積極的に立ち向かえなくなる。

 

A私の受け持ち患者の中に、入院して3か月、病態が安定せず治療を続けている患者がいた。患者は24時間ベッド上で過ごし、食事も食べられず、毎日吸引とケアを繰り返されるだけの変化のない生活を送っていた。ケアに対してもほとんど反応はなく、何に対しても関心を示さず、まさに生きる気力を失っていると思われた。

 

B病態は慢性的であり完治することは難しいと思われるが、生きている以上少しでも患者に気力を持ってほしい、少しでも生活に張りを感じてほしいと思い、またその気力を引き出すことで患者に何か変化が現れるのではないかと考えた。よって、患者の気力を引き出すため日々変化のない患者の生活の中に、看護師による意図的な関りを通して患者の生活に変化を与えるようにした。その結果、看護師が意図的に関わった後に患者の表情や言動、ADLに良い変化が見られた。よって、看護師のどのような関りが患者に変化をもたらしたのかを振り返り考察したい。

 

@対象の一般的説明

 

まずは、自分が取り組んだケーススタディの対象を一般的に見てどういう状態なのか、という事を説明します。

 

私の場合だと、「生きる気力を失っている高齢者」が対象なので、老年期に入ると気力はどうなるのか、ということをまずは説明しています。

 

対象が「終末期患者の心理」だと、一般的に終末期患者さんの心理状態とはどういうものなのか、「術前の危機状況にある患者」だと、手術を控えた患者さんにはどのような危機状況が現れるのか、を説明していくようになります。

 

 

A簡単な事例紹介

 

詳しい事例紹介は次の項目で行いますが、ここでは簡単な事例紹介をし、どのような問題があるのかを提起します。

 

そうすることで、どのような対象のケースを行うのか、この部分を読むだけで読者が具体的にイメージできるようになります。

 

 

B動機、目的

 

@とAを踏まえて、自分がこのケーススタディを行おうと思ったきっかけや動機を書きます。

 

そして、このケーススタディの目的は何なのかを、はっきり書いておきましょう。

 

ケーススタディの目的はとても重要な部分です。本論で経過や考察を書いていると、知らず知らずのうちに脱線してしまうことがあり、自分が何について書いているのかわからなくなる時があります。そんな時は、この目的に戻ればいいのです。

 

よって、目的はかなり気合を入れて、自分が何についてケーススタディをまとめるのか明確にしておくことが大切です。

 

 

 

C先行研究、文献

 

私は記載していませんが、先行研究や理論や文献を織り交ぜて書くとなお良いです。

 

心理状態だと「キューブラー・ロスの心理プロセスでは〜」とか、先行研究ではここまで明らかになっているが、ここの部分はどうなっているのか、今回のケースとどう繋がるのか、などを理論的に考えるとより深いケーススタディになるでしょう。

 

私も、もう少し先行研究を探せばよかったなあ、と今では思います^^;

 

時間が許す方は、ぜひ先行研究などを探してみてくださいね。

 

 

 


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