看護研究|テーマのネタを絞る
テーマのネタを集めたとして、そのネタが実際に看護研究のテーマになるのかはまだわかりません。
次は、そのテーマのネタが研究として成り立つのかを考えていきましょう。
そこで、テーマのネタが、実際に行う研究のテーマとして成立するのかを確認できるフローチャートというものがあります。
とてもわかりやすかったので紹介しますね。
研究テーマ確認フローチャート
@日常業務などでの疑問
日々の疑問を書き出す。
↓
A調べたけど解決しない
文献検索などで調べても解決できない疑問や問題点が浮き彫りになる。
↓
Bそれを解決するには?
それを解決するには具体的に何を調べればいいのかを明確にする。
↓
Cそれが明らかになるとなぜ良いか?
疑問を明らかにすることで、どのような良いことがあるのかを明確にする。
↓
D研究計画へ
前田樹海:はじめての看護研究,p.51より引用
これを順番に書いてみることで、テーマが明確になってきます。
このチャートに、実際に私が行った研究を当てはめてみますね。
@日常業務などでの疑問
32床ある病室は、すべて絨毯。尿汚染や血液汚染も度々あるし、絨毯って汚れやすく汚いイメージだけど、本当にそうなのか?
埃や細菌が舞えば、感染リスクが高められるのでは?
絨毯の交換時期や掃除方法は今のままでいいのか?もっと効果的な方法はないか?
↓
A調べたけど解決しない
感染対策としては、絨毯よりもフローリングのほうが望ましいとあったが、清潔清掃も大事であるとのこと。絨毯交換の目安や効果的な掃除方法までは、調べてもわからなかった。
先行研究で、カテキン水や滅菌水を噴霧したことで空中浮遊菌が減少したという報告を見つけた。
↓
Bそれを解決するには?
舞い上がって患者に落下してくる落下細菌数を調べ、掃除前に水分を噴霧することで落下細菌数の減少につながるのかを調べる。
↓
Cそれが明らかになるとなぜ良いか?
絨毯の落下細菌数がどれくらいなのか、絨毯の部屋がどれくらい汚染されているのかを知ることができる。
絨毯の部屋の効果的な掃除方法がわかるかもしれない。
↓
D研究計画へ
テーマ:絨毯の病室の療養環境を考える
ここまで考えることができたら、最終チェックをしてみましょう。
自分自身、そのテーマに関心があるかを考える
まず、自分が行う研究に対して興味・関心がないのは論外です。
関心がないと研究をやる気にもなりませんもんね・・・。
「やれと言われたからやる」のではなく、自分が行う研究によって将来の看護にどう役立つのか、ということをもう一度考えてみましょう。
そのテーマは明らかにできるものかを考える
・データ収集が可能か
・期限内に終わらせることができるか
・他者の協力が得られるか
・必要な設備や機材は入手できるか
・費用が工面できるか
を考えてみましょう。
私は、今回の研究とは別に、「個室のドアを閉める音がうるさい」とクレームがあったことを受け、ドアの開閉音(騒音)についてもテーマを出しました。
しかし、音を測定する機材が手に入らなかったため、そちらのテーマは断念せざるを得ませんでした。
また、気温による患者の変化などを考える場合、夏と冬を研究期間にしなければならないため、1年以内にすべて終わらせるのは難しいです。
これらをじっくりと考え、テーマを絞っていきましょう