看護研究|テーマのネタを探してみよう!
看護研究を始めるにあたり、まず最初にしなければいけないことは「テーマ選び」です。
私は実は、このテーマ選びが一番難しんじゃないかと思っています^^;
こういうテーマでやりたい!と思っても、先行研究ですでに答えが出ていたり、参考にできる先行研究がなかったり(先行研究がなかったら結構大変・・・)、やっと決まったかな〜と思ったら上司に却下されたり・・・。
テーマ選びはなかなか大変ですが、まずはテーマ選びの準備段階である「テーマのネタ」を探していきましょう。
テーマのネタははたくさん落ちている
テーマ選びには、看護研究とはの記事の「看護研究に必要なもの」の部分でもお話しましたが、普段当たり前に行っていることでも、一旦立ち止まり「本当にそうなのか?」と考えることが大切になってきます。
そういうふとした疑問からテーマのネタに結びつくことが多いのです。
その疑問を調べて解決すればいいのですが、調べてもわからないことはテーマになる可能性があります。
私は「絨毯の病室の療養環境を考える」というテーマで看護研究を行いました。
そのきっかけは、「絨毯って埃が多く汚いイメージだけど、本当にそうなのか?」と思ったことです。
それから、「歩いたり、掃除機をかけることで細菌が舞い、感染リスクが高められるのではないか?」「絨毯は病室の療養環境に好ましくないのではないか?」「細菌はどれくらい舞っているんだろう?」という疑問も湧いてきました。
それから先行研究を探し、テーマに結びつけることができたのです。
いつも当たり前にように働いている環境、当たり前のように行っている処置や看護をもう一度立ち止まって見てみてください。
そこに、たくさんの「テーマのネタ」が落ちていると思います。
テーマのネタをとりあえず集める
「看護研究のために何かテーマを探さなきゃ」と考えると、なかなか探せないものです。
なので、普段から「あれ?」「なんでだろう?」「本当にそうなの?」など疑問や問題点を感じた時は、メモをとっておきましょう。
それを後から見返して考えてみると、テーマに結びつくことがあります。
「研究のテーマ」と難しく考えず、自由な発想で考えてみてください。
「経験栄養をする人は、なんで下痢になる人が多いんだろう」とか、「ヘパリンロックと生食ロックではどれくらいもつ時間に差があるんだろう」とか、日々の看護の中で感じた疑問や実際に自分が困っていることなどをメモしておくのです。
その場で「あれっ?」と思ったことも、あとになると忘れてしまうもの。忘れないようにどんどんメモしましょう。
そして、そのメモを持ち寄り研究グループのメンバーで出し合ってみてください。
4人グループだったとして一人3個出せば、それだけで12個のテーマのネタが集まります。
多くのネタがあれば、自分では思いつかなかった「なるほど〜!」というテーマの発見がありますし、ネタをミックスして新たなアイデアが生まれることもあります。
一通りネタが集まったら、似ているもの、関連できそうなもの、全く反対の意見に分けてみましょう。
「Aさんはある処置に対してこう思っているのに、Bさんはどうして反対の意見なんだろう」とか「同じ病棟内でも考え方がなぜ違うのか」とか、そこから研究テーマに結びつくこともあります。
先行研究を読んでみる
何か自分の興味のある分野や、最近発表された新しい研究を読んでみましょう。
その研究では明らかにされなかった「今後の課題」などがあったら、その今後の課題について調べてもいいと思います。
ただし、それを解決するには結構大変かもしれません。先行研究を行った人が明らかにできなかったことを、自分が明らかにするというのは先行研究を行った人以上に労力を伴うからです。
それよりも、先行研究の「理論」の部分を検証するほうが、私はやりやすいかなと思います。
「ある処置のやり方が高齢の患者には有効だった」という理論があったとして、「では成人の患者にも有効なのか?」と考えてみるのです。
他にも「研究が行われた病院では適用できたが、自分の病院でも適用できるのか」とか「男性での結果はでているが、女性でも同じ結果になるのか」など、新たに検証できるものはたくさんあります。
実際に、私もこの方法で研究を進めました。
先行研究では、「カテキン水や滅菌水を噴霧することで空中浮遊菌を減少させることができた」という理論があったので、「では落下細菌ではどうなのか」「カテキン水と滅菌水で差がなければ他の水分ではどうなのか」と考えたのです。
まとめ
以上、研究テーマのネタ探しについて記載してきましたが、ネタは探せそうでしょうか^^
何はともあれ、普段の看護のなかから「あれっ?」と思ったことはぜひメモにとっておきましょう。
そして、気になることが見つかれば、先行研究を探して読んでみるのもおすすめです。