看護研究とは
看護研究とは何なのか
そもそも研究とは一体何なのでしょうか?
大辞泉で調べてみると、
物事を詳しく調べたり、深く考えたりして、事実や真理などを明らかにすること。また、その内容。
と記載してありました。
つまり、一言で言うと看護研究とは「看護を深く考え、将来の看護に役立てよう!」ということだと私は思います。
「研究」と聞くだけで体が拒否反応を起こしてしまう人もいるかもしれませんが、そこまで身構えなくても大丈夫ですよ。
ひとつの研究で「すべての結果を得なければいけない」ということではないのです。
たったひとつの研究で、すべての結果が得られることはありませんし、すべての問題を解決することもできません。
先行研究があり、その先行研究ではわからなかったことを、あなたが研究する。
そして、あなたの研究ではわからなかったことを、次の人がまた研究する。
というように、研究をどんどん積み重ねて、多くの知識を作っていくのです。
あなたの研究も、看護界の多くの知識のひとつになります。
その知識が、多くの人の役に立ちます。
難しく考えなくても、「研究に取り組む」ということだけで意義があるのです
看護研究に必要なもの
まず、その看護研究をやるにあたり必要となってくるのが、あらゆる物事を「本当にそうなのか?」と客観的にみる力です。
当たり前にやっている看護内容を、いったん立ち止まって「本当にそれでいいのか?」「他の考え方はないのか?」と考える力です。
例えば、経管栄養の栄養剤を温めるという作業は、私が新人の頃は当たり前にやっていました。
なぜなら、学生の頃からそう教えられてきましたし、先輩たちもみんなそうしていたからです。
しかし、ここである人は、「栄養剤は本当に温める必要があるのか?」と考えました。
教科書や文献を調べても、その根拠はどこにも書いてありません。
そこで、「栄養剤の温度について」研究をするわけですね。
その結果、「温めた栄養剤は胃に到達するまでに冷めている」という結論に至りました。
結局、私達が今まで栄養剤を温めていたことに意味はなかったということです。
こういう風に、普段私達がやっている処置や手技を当たり前だと思ってスルーするのではなく、一旦立ち止まって「あれ?本当にそうなの?」とあらゆる方向から考えてみることが、看護研究の第一歩になるのです。
忙しい業務の中でひとつひとつ疑問を持つことはなかなか難しいかもしれませんが、普段から「考える癖」をつけるようにすることが大切かもしれませんね